中小企業診断士のお仕事:窓口相談編

CFJの平阪です。

私たち中小企業診断士の仕事の1つに公的機関の窓口相談があります。

事前にどんな方が相談にくるかわからない状況の中で、約1時間という決められた時間で事業者様の相談対応を行うというものです。
私自身、独立した時から窓口相談業務に就かせていただき、今も週2回ほど担当をしています。

やり始めたばかりの時は、毎回どんな相談がくるのかとドキドキしていましたが、毎年年間で100社以上の相談対応をしていていく中で、今ではすっかり緊張しなくなりました。
むしろ、今日は一体どんな人が新しい相談に来るのだろうかとワクワクいたします。

相談内容は本当に様々です。

「創業したい」「こんなアイデア思いついたけどどう?」「お金を借りたい」「補助金欲しい」「経営革新計画の認定を受けたい」「売り上げあげたい」「人を採用したい」「営業先を紹介して欲しい」・・・・etc

業種業態も違うし、そもそも経営者も十人十色。ということで、本当にいろんな相談を受けます。

正直、私は全ての分野における専門家ではないので、何でもかんでも相談されても答えられるとは限りません。
でも、窓口相談に来ている事業者様を目の前にして

「わからないですねぇ。」

とは言えません。

そのため、最初の頃は、「わからない質問が来たらどうしよう」とか「役に立てなかったらどうしよう」とか不安しかありませんでした。
しかし、ある1つのことに気づいた時、そうした不安がワクワクに変わりました。

その1つとは、、、、

目の前の解決より、気づきを与え満足してもらうことが重要

ということに気づいたのです。

実は、窓口相談に来ている事業者様というのは、もともと解決したいと思っていることと、実は別のことを優先して解決しなければいけなかったという場合が多々あります。
ですから、「最初は法律の相談に来たけれど、本当は商品コンセプトを見直す方が重要だった」ということが起こり得ます。

こうした本当に解決しなければいけないことを見つけることこそが、私たちに求められているのではないかと気づいたのです。

では、本当に解決しなければいけないことを見つける方法は何かというと、

事業者様にただひたすらヒアリングをすること」です。

「事業者内容はなんですか?」
「お客様は誰ですか?」
「何か具体的に取り組んでいることはありますか?」
、、、

とにかく、相手にしゃべってもらいます。
相手が答えた内容に対して、さらに深掘りする質問を投げかけて、本当の悩みを吐き出してもらいます。

人間、自分の話に興味を持って聞いてくれる人に対して悪い気は起きません。
とにかく話を聞きまくって、相手を気持ち良い状態にしてあげるのです。

逆にいうと、すぐに解決策が分かったとしても、それをすぐに言ってしまってはいけません。
会話のキャッチボールをする中で、徐々に小出しに解決策を提示していきます。

こうして相手の満足度が十分に高まった状態で、「社長が本当に解決しなければいけないことは、××ですよ。それを解決するためには○○しましょう」という形で、自分の得意の土俵にあげて解決策を提示してあげるのです。

そうすれば、「その考えはなかったです。新しい気づきが得られてスッキリしました!」と言って、満足して帰っていただけます。
もちろん、もともとの相談内容についても、「次回、別の専門家をご紹介しますので、まずは今日の課題について考えてみてください」という形で次回につなぐ形で終えることができれば完璧です。

なんでもかんでも解決しようとするのではなく、まず相手の話をじっくり聞く。
これこそが、中小企業診断士に求められているスキルではないでしょうか。
そのためには、「相手の話を聞く力 = ヒアリング力」は重要な診断士のスキルです。

実務従事や実務補習は、そうした診断士のヒアリング力を身につける実践的かつ重要な場でもあります。
こうした機会をうまく活用したいですね。

それでは。

平阪 靖規(中小企業診断士、マーケティング・プロデューサー)

 
 

CFJの実務従事サービスのお知らせメルマガ

メールアドレスをご登録いただきましたら、最新の案件情報や中小企業診断士としてスキルアップできるコラム等を真っ先にお知らせいたします。
情報を逃したくない方は、メールマガジンにご登録ください。
※必要事項を入力後【送信】ボタンをクリックしてください。
-->
中小企業診断士のための実践コンサル塾メールマガジン
顧客属性
【必須】
【必須】
メールアドレス【必須】